大学サッカー監督の声 青山学院大学  清水厚 監督

今回は青山学院大学体育会サッカー部で指揮をとられている清水 厚監督に、大学サッカーについてお聞きしました。

プロフィール
お名前
清水厚

【選手歴】
・山梨県立韮崎高校サッカー部
・青山学院大学サッカー部

【指導歴】
・プリュスサッカースクール町田ヘッドコーチ
・青山学院大学体育会サッカー部 コーチ
・桐蔭学園高校サッカー部コーチ
・調布FC/都立東久留米総合高校サッカー部コーチ/青山学院大学体育会サッカー部コーチ

【保有ライセンス】
JFA公認A級指導者ライセンス

指導の道へ

ーー指導者になられた経緯について教えてください。

大学の先輩からサッカースクールの指導を手伝わないか、と声をかけていただいたことがきっかけで指導者の道へ進みました。サッカー指導を通じて子供たちをみていると、先週できなかったことが今週はできていたりと、成長をすごく感じられました。その成長を目の前で見た時にこのような形で、自分を育てていただいたサッカーに恩返しができるのであれば、サッカー指導を通して未来のサッカー選手、サッカーに携わる方達の裾野を広げることができるのであれば、指導者という道も私にはあっているんじゃないかなと思いながら1年間サッカースクールを手伝わせていただきました。そのまま今でも指導者を続けています。

ーーこれまでの指導を振り返って

大きなビジョンや将来の目標は設定してきましたが、あまり囚われずに、考えずに目の前のことに没頭しながらやってきた感じがしますね。1年1年やってきた結果が今に至るのかなと。目の前に起きていること、あるものに対して真剣に取り組んでいるうちにいろいろな話がくるようになりました。今思うと、本気になっている人の周りには同じような方が集まってくるのかなと思いますね。

ーー指導に関して心がけていることがあれば教えてください。

選手が社会に出ても主体的に動けるようにしてあげることです。大学サッカーは社会に出る前の最後の育成、教育の部分。プロに進んだら監督の要求に対し応えていかなければなりません。
それがプロの世界だから。
一方で大学ではできないことができるようになることとか、わからないことがわかるようになることとか、それをどう導くのかが指導者に求められていることだと思います。

どこまで提示しながらどこまで選手に任せるのか、その割合はとても難しいですが、見極めながら指導をしています。
勝率が上がるのはもしかしたら指導者が言ってあげるほうがいいのかもしれません。
だけど彼らの将来を含めトータルで勝つためには選手の意見を認め、思い切ってやらせてあげる方がいいこともあります。
結果として、負けとか失敗になったとしてもそれはそれで次のステップになるので私はいいと思います。
その一度の負けやミスよりも彼らが自分達で考えて責任を持って行動して取り組んでくれたことの方が圧倒的に価値が高いはずです。
でもやっぱり、勝負にこだわりながらも教育していかなければいけないので難しいですね。

 

関東大学サッカーリーグ2部
“青山学院大学サッカー部”について

ーー青山学院大学サッカー部就任時の心境を教えてください。

就任前年度に42年ぶりに降格し難しい状況でしたが、OBであることも含めてこのクラブを改革して新たな土台を作り、100周年になるにあたってチームを強くしたい、さらに先のもう100周年に向けてのきっかけになれば、という想いを持って就任させていただきました。

ーー青山学院大学サッカー部の魅力について教えてください。

選手全員が「青山学院大学サッカー部は自分達のチームだ」という帰属意識を持てる組織であることに魅力があると思います。青山学院大学サッカー部には「部門」というものが存在します。チームでは、11人それぞれに役割を与えているサッカーと同じで、部員それぞれに役割を与え、一人ひとりがチームのためにどんな活躍ができるのか、そのためにできる行動はなんなのかを考えながら行っています。去年でいえば、スポンサー獲得のための企業さん回りを選手自らがしました。

大学サッカーは自分で考えて行動を起こし、その行動に責任を持つ、主体的に取り組む、そのようなことを身につける場でないといけないと自分自身は思っています。

言われたことだけをやるのか、あるいは、言われたことに対して自分の状況を踏まえた上でリスクを背負いながら自分の考えを貫くのか。
成功したら褒めるし、失敗したら私は叱らなければいけない。
なぜならそれがリスクというものだから。
社会に出たらそのことの繰り返しです。
大学サッカーを通じてそのことを学べていることは本当に素晴らしいことだと思います。

将来サッカー選手になろうが就職をしようが、考え方は一緒なので「主体的に取り組むこと」が経験できるのは青学の魅力ですね。監督の声だけを聞いていれば良い集団にしてしまうと、私の能力のサッカーしか表現できなくなってしまいます。選手が考えて主体的に取り組むからこそ想像もしないプレーが出たり、連勝を積み重ねることができる。

ーー東京都大学リーグ、関東大学リーグを経験してみての感想を教えてください。

都リーグでの立ち位置や他チームからの見方の違いから関東大学リーグとは違う別の難しさを感じるリーグでした。関東大学リーグでずっと戦ってきていたので正直「やれるだろうな」と思っていたんです。
でも始まってみると「自分達のサッカーをする」のか、「相手によって自分達のサッカーを選ぶ」のかそこのバランスを取ることが難しかったですね。山梨学院大学サッカー部さんに敗戦したことがきっかけで相手をどう攻略するのか、メンタル面、考え方、自分たちのサッカーなどすごく考えるようになりました。絶対に1年で復帰しないといけない一番苦しい状況のチームをうまくまとめてくれたかなと思います。当時のキャプテンで現在は渋谷シティFCに在籍している植松亮選手を中心に新たな青学を作ろうとしてくれて。そして2022年シーズンは千綿キャプテンがさらに強固な土台を作ってくれました。選手たち中心に本当によくこの2年間頑張ってくれたなと思います。

ーー関東大学リーグ2部での今シーズンの戦いを振り返ってお願いします。

苦しいシーズンでしたが、選手の逞しさや気持ちの持っていき方など成長した姿を見せてもらえたすごく良いシーズンだったと思います。週を重ねるごとにミーティングでの選手の意見が活発になったりチームを勝利に導く為に何が必要かの会話がすごく多くなりました。

振り返ってみると、劇的な昇格争いを経験しての2022年シーズンの幕開けでした。崖っぷちな状況から関東大学リーグに昇格した勢いはオフが開けてもそのままで、リーグ開幕を迎え3連勝しました。このままいけるぞと思った矢先、関東リーグの質の高さを見せつけら全然勝てない状況で。数的有利な状況でリードをしていても結果は引き分けになっていたり。いまいち噛み合わない状況でした。

夏に入りチームの見直し、一体感作りのために合宿を行いました。フィジカル、メンバー、戦術等、全て見直し。一体感を持った選手がどうやったら「team first」になれるのか、そこまで求めて合宿をしました。その成果が後期リーグから感じられました。後期リーグ始まってからの数戦(東海大学サッカー部中央大学サッカー部日本体育大学サッカー部)は負け方は複雑でしたが、手応えは掴んでいました。それを信じながら戦っていたら東京学芸大学サッカー部戦を皮切りに6連勝してシーズンを終えることができました。上位チームと戦いながらも成果、結果を出せたことはすごくチームとして自信になりました。夏の鍛錬期をへてみんながチームに対して何をしなければいけないのか要求したことに対して選手が応えてくれ、応える以上の物も出してくれた結果かなと。

ーー今後の展望について教えてください。

最大の目標は関東大学リーグ1部昇格です。
「現在は2部リーグ8位。2部リーグで1.2位を目指していくためには2022年以上にパワーを使って質を高めていかなければいけない。2022年こんだけやっても8位だった。もっとやんないといけない。」ということは選手に話しました。そのためにはまずは2022年シーズンの振り返りをして何が良くても何が悪かったのか課題はなんなのか明確にしたいと思います。そして、最上級生が残してくれたものを現役生がしっかりと受け止めてさらに良くしていくためにピッチで頑張って表現するというのを繰り返していきます。

大学サッカーについて

ーー大学サッカーの魅力についてお願いします。

大学サッカーの魅力は4年間を通じてサッカーが好きな自分を見つけられるところにあると思います。
矛盾しているように見えますが、自分は大学サッカーの4年間を通じて試合に出る、出ない、に執着しすぎてサッカーが好きではなくなってしまいました。試合に出ることが嬉しくて、出れないことが悔しくて、サッカーというスポーツが好きではなくて反対に苦しくなっていました。でもサッカーから少し離れてみると突然サッカーがしたくなったんです。気持ちが溢れてまた社会人でもサッカーを気づいたら始めていました。そこから30才くらいまで毎週末サッカーをしていました。振り返ってみて改めてサッカーは好きだったんだなと思いました。苦しいとか試合に早く出たいとか複雑な思いで大学サッカーをやっていたけど、結局最後には「サッカーが好き」だということを見つけられたのは大学4年間の期間があったからだったなと思います。

ーー大学サッカーで活躍している選手や大卒プロになるに共通しているところがあれば教えてください。

自分の意見を持ちながらも他者の意見を聞ける選手は伸びていると感じます。いわゆる「オープンマインド」ですね。成長度合いは全然違いますね。自分の世界を持っている選手で、余計な情報に耳を傾けずにプロになっている人も中にはいます。でも全体的にプロになっていく選手、トップチームに入る選手をみると、自分の信念を持ちながらもいろんな人の意見を求めてディスカッションできるような選手が多いですね。福島ユナイテッドに入団内定している鈴選手もそういう選手でした。

最後に、高校生アスリートに向けて

ーー大学で競技継続の意思のある高校生アスリートに向けてアドバイスやメッセージをお願いします。

オフザボールの過ごし方、それをどう仲間と共有できるか、仲間と同じ絵を描けるかが大事かなと思います。
そういうところも意外と判断材料になっていると思います。サッカーは90分続くものの、ゲームを通してボールを触っている時間はトータルで1分から1分30秒です。だからこそ残りの時間の使い方、オフザボールの時に何をみてそれを分析して自分がどういう判断をして実行していくかがみられています。セレクションでは自分のオフザボールの時間が長いからどこに走ったらいいかな、相手がこうきているから自分はこうしてみよう、っていう考え方を持ってやっていくとオンザボールの時のいい準備に繋がるかなと思います。

ーーインタビューは以上です!ありがとうございました!

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