今回は京都大学サッカー部で指揮をとられている伊藤 顯監督に、大学サッカーについてお聞きしました。
京都大学サッカー部では、首脳陣や幹部の人選のような部の意思決定に加え、ゲームプランの作成、スケジュールの作成やピッチ外活動等、ほとんどの活動が学生によって運営されており、その中で伊藤監督は主にトップチームの公式戦の責任者として帯同されております。
プロフィール
お名前
伊藤顯
【選手歴】
1972-1976 京都大学サッカー部
指導者の道へ
ーー京都大学サッカー部の監督になられた経緯について
監督をしていた後輩がシーズンの途中で病気で亡くなられてしまいました。監督がいないとリーグ戦を戦えないということでそのシーズンはサラリーマンの別の後輩が監督代行として就任してくれました。本来であればその後輩が監督を引き継げば良かったんですが、翌年彼が海外赴任となり、私が就任することになりました。
ーー堀井ヘッドコーチとの出会いについて
2021年シーズンにキャプテンだった選手が前年に副将をやっていました。彼は、その年の4年生が結構抜けてしまい「このままでは強くなれない」という危機感を抱いていました。学生たちがいいコーチを招聘したいと言い出し、学生自ら堀井さんにヘッドコーチの就任依頼をしました。堀井さんも学生の熱意に応える形でヘッドコーチを引き受けてくださいました。
関西学生サッカーリーグ3部
“京都大学サッカー部“について
ーー京都大学サッカー部の魅力について教えてください
京都大学には国立特有の入試があります。そのため選手をスポーツ推薦などで集めることはできません。高校生へのリクルーティング活動もしていますが、基本的には入学してきた学生のサッカーへの熱量が高く、自分の意志で入部してくるのが特徴だと思います。
ーー今後の展望について教えてください
2部定着が一つの大きな目標です。創部からしばらくは関西1部に所属しており常に優勝を争うようなチームでした。それから私立の大学などが台頭してきたので自分より上の世代は「京大は関西で優勝するチームだ」という認識が残っています。したがって私より上の世代のOBの方達は1部まで上がってくれよと思っているんです。ですが、現在の1部リーグを見てみると12チーム中12チーム全てが私立大学です。部員数も100名以上のような大学ばかりです。2部には現在3校の国公立大学が所属しています。私としては、2部に国公立大学が所属しているのだからせめて2部に昇格し定着して、あわよくば1部を目指してほしいと思っています。「同じ国公立大学だから京大でもできるはず」と言うのもどうかとは思いますが、もっと上位を目指してほしいです。
ーー双青戦とは??
東大のスクールカラーが淡青、京大のスクールカラーが濃青なので二つの青ということで双青戦と呼ばれています。東大、京大はお互い東西の学府の雄としての自負心を持ちながら対抗心を燃やしています。サッカーでもライバル意識をむき出しにしてこれまでやってきました。関東と関西の違いはありますが、どちらもほぼ同じレベルのリーグに属していると思います。どちらかがずば抜けて強いということもないんです。毎年交互に開催しているんですがいい勝負をするんですよね。でも試合が終わると仲良くノーサイドの精神があります。京大にとって双青戦はリーグ戦の次に大事な試合とも言えると思います。毎回、東大には負けるかと気合を入れて戦っています。1軍・2軍・3軍・OB戦まであり全てライバル意識を燃やしてやっています。今年3年ぶりに開催できましたが、中止になっていたら経験者がいなくなってしまうところだったのでなんとか開催できてよかったです。
最後に、高校生アスリートに向けて
ーー大学で競技継続の意思のある高校生アスリートに向けてアドバイスやメッセージをお願いします。
「自分たち個々が目標を持って努力し、チームとしても目標を持ってそれに向けて頑張る」ことを意識してほしいです。部員数の多いチームでプレーするのもいいと思いますし、少人数のチームで自分たちで考えながらプレーするという選択肢もあっていいと思います。自分らで考えて行動しなければ絶対に世界のトップ選手と台頭に戦えない。だから選手自身が考えるチャンスのある大学にぜひ進学してほしいです。その一つが京都大学です。人生もサッカーも自分で考えて決断することが大事です。上手にいかなかったら反省してうまくいくように練習し、上手にいったならさらにそれを伸ばしていけばいい。失敗を恐れて何もしないより、チャレンジすることが大事だと思います。そういう人間になっていってほしいです。その一つのきっかけとしてサッカーを選んでくれれば嬉しいです。いずれにしても、目標を持って人生を歩まないと(プレーをしないと)進歩はないと思います。
ーーインタビューは以上です!ありがとうございました!
京都大学サッカー部SNS