目次
現役プロ選手輩出数からみた大学サッカーの新たな魅力とは?
現役Jリーグ(J1、J2、J3)全58チーム1833名の選手を対象に、大学サッカー出身選手とその大学を調査をした。現在、Jリーグに所属する大学サッカー出身のプロ選手は861名(J1=192名、J2=335名、J3=334名)となっており、全体の約45%を占めている。残りの約55%は高校からプロ選手になるか、クラブの下部組織からトップに上がるかの2種類となっている。
リーグのカテゴリーによって、大学サッカー出身のプロ選手の比率が変わってきており、J1は606名中192名で全体の約30%を占めており、J2は688名中335名で約半数を占めている。
これら二つとは異なり、リーグの半分以上を大学サッカー出身選手で占めているのがJ3であり、539名中334名が大学サッカー出身選手となっている。また、大学サッカー出身選手の中でも日本代表に選出され、U-23の代表候補に選ばれる選手も多数出てきている。
今回は、中国・四国・九州大学サッカーリーグに加盟している大学が輩出したプロサッカー選手と人数をご紹介する。
現役プロサッカー選手数【中国大学サッカーリーグ】
IPU・環太平洋大学サッカー部 1名
環太平洋大学サッカー部出身の現役プロサッカー選手は、J3のテゲバジャーロ宮崎、植田 峻佑選手のみとなっている。J3に昇格後2シーズン目を迎える2022年は正確なキック、広い守備範囲でチームの守護神を目指す。
徳山大学サッカー部 2名
徳山大学サッカー部出身の現役プロサッカー選手は、J3のテゲバジャーロ宮崎の藤武 剛選手と鹿児島ユナイテッドFCの山本 駿亮選手の2名のみとなっている。藤武選手と山本選手は徳山大学サッカー部の同期であり、それぞれのチームでの活躍が期待される。
広島修道大学 1名
広島修道大学サッカー部出身の現役プロサッカー選手は、J3のガイナーレ鳥取の長井 響選手1名のみとなっている。同大学からのJリーガーは2005年以来2人目である。ぜひ先輩の跡を追いかけて今後もJリーガーが輩出されることを願う。
現役プロサッカー選手数【四国大学サッカーリーグ】
高知大学サッカー部 2名
高知大学サッカー部からは2名の現役プロ選手を輩出している。J1とJ3に1名ずつ在籍している。横浜Fマリノスの實藤 友紀選手、ヴァンラーレ八戸の有間 潤選手が高知大学出身のJリーガーだ。
現役プロサッカー選手数【九州大学サッカーリーグ】
福岡大学サッカー部 29名
福岡大学サッカー部からは25名の現役プロ選手を輩出している。J1には7名、J2に12名、J3に10名ずつ在籍している。
九州大学サッカーリーグの中で最も多く、関東大学リーグの中央大学サッカー部と同数で並び、西日本で最も現役プロ選手を輩出している。
J1のFC東京に所属する永井謙佑は2019季ベストイレブンを受賞、日本代表としても12試合出場経験があり、3得点上げている。
▼その他の福岡大学出身現役プロサッカー選手一覧
チーム名 | 選手名 | チーム名 | 選手名 |
FC東京 | 木本 恭生 | 大分トリニータ | 野嶽 惇也 |
FC東京 | 山下 敬大 | モンテディオ山形 | 藤嶋 栄介 |
アビスパ福岡 | 永石 拓海 | ロアッソ熊本 | 菅田真啓 |
セレッソ大阪 | 真木 晃平 | ロアッソ熊本 | 河原創 |
京都サンガ | 山﨑 凌吾 | ロアッソ熊本 | 阿部 海斗 |
サガン鳥栖 | 藤田 直之 | FC琉球 | 清武 功暉 |
ブラウブリッツ秋田 | 稲葉修土 | SC相模原 | 川上 竜 |
水戸ホーリーホック | 梅田 魁人 | FC岐阜 | 石津 大介 |
ヴァンフォーレ甲府 | 河田 晃兵 | テゲバジャーロ宮崎 | 青山 生 |
レノファ山口 | 岸田 和人 | テゲバジャーロ宮崎 | 代 健司 |
レノファ山口 | 梅木 翼 | テゲバジャーロ宮崎 | 大熊 健太 |
大分トリニータ | 井上 健太 | テゲバジャーロ宮崎 | 田中 純平 |
福島ユナイテッドFC | 大武 峻 | テゲバジャーロ宮崎 |
薗田 卓馬 |
愛媛FC | 西岡 大志 |
福岡教育大学サッカー部 1名
福岡教育大学サッカー部からは1名の現役プロ選手を輩出している。J1、J2に在籍している選手はおらず、J3に鹿児島ユナイテッドFCの中原秀人選手が在籍している。Jリーグ通算220試合以上に出場し、チームで中堅選手として豊富な経験を武器にチームを牽引している。
佐賀大学サッカー部 1名
佐賀大学サッカー部出身の現役プロサッカー選手は、J2のロアッソ熊本に在籍している黒木晃平選手のみとなっている。Jリーグ通算280試合以上に出場。サガン鳥栖を経てロアッソ熊本に入り10年目のシーズンを迎える。J2復帰の立役者だ。
沖縄大学サッカー部 1名
沖縄大学サッカー部出身の現役プロサッカー選手は、J2のFC琉球に在籍している上原 慎也選手のみとなっている。Jリーグ通算270試合以上に出場し、32得点上げている。怪我で出遅れたシーズンもあるが、復帰後は攻守にわたって活躍し、チームのJ2残留に貢献した。また、現在の沖縄大学は九州大学サッカーリーグ2部復帰を目指し活動している。
九州産業大学サッカー部 2名
九州産業大学出身の現役プロサッカー選手は、J1のアビスパ福岡に在籍している田中 達也選手と岩手グルージャ盛岡に在籍している斉藤 諒選手のみとなっている。2022年シーズンは田中 達也選手にとってアビスパ福岡に完全移籍して迎える初めてのシーズンだ。試合の出場機会を増やしてほしい。斉藤 諒選手は大卒ルーキーとしての活躍に期待がかかる。
日本経済大学サッカー部 3名
日本経済大学サッカー部からは3名の現役プロ選手を輩出している。J1に在籍している選手はいないが、J2には大分トリニータの野村 直輝選手とFC琉球の野田 隆之介選手、J3には鹿児島ユナイテッドFCの井原 伸太郎選手が在籍している。
宮崎産業経営大学サッカー部 7名
宮崎産業経営大学サッカー部は7名の現役プロ選手を輩出している。J1には1名、J2には4名、J3には2名在籍している。清水エスパルスの鈴木義宣選手や徳島ヴォルティスの長谷川 雄志選手などが挙げられる。
▼その他の宮崎産業経営大学出身現役プロサッカー選手一覧
レノファ山口 | 島谷八徳 | テゲバジャーロ宮崎 | 北村知也 |
鹿児島ユナイテッドFC | 五領淳樹 | 水戸ホーリーホック | 前田椋介 |
大分トリニータ | 宇津元 伸弥 |
鹿屋体育大学サッカー部 13名
鹿屋体育大学サッカー部からは13名の現役プロ選手を輩出している。J1に4名、J2に7名、J3には2名在籍している。鹿島アントラーズの樋口 雄太選手、湘南ベルマーレの根本 凌選手、京都サンガの松田 天馬、サガン鳥栖の福田 晃斗選手などが挙げられる。
▼その他の鹿屋体育大学出身現役プロサッカー選手一覧
チーム名 | 選手名 | チーム名 | 選手名 |
ブラウブリッツ秋田 | 下坂 晃城 | 栃木SC | 福森健太 |
ブラウブリッツ秋田 | 藤山智史 | 栃木SC | 五十嵐 理人 |
レノファ山口 | 吉満大介 | ファジアーノ岡山 | 馬渡 洋樹 |
大分トリニータ | 藤本 一輝 | テゲバジャーロ宮崎 | 奥田 雄大 |
テゲバジャーロ宮崎 | 綿引 康 |
最後に
今回は中国・四国・九州大学サッカーリーグの現役プロ選手数について取り上げた。
中国大学サッカーリーグと四国大学サッカーリーグは、2つ合わせても6名しか現役プロ選手を輩出できておらず、学校数で見ても4校のみとかなり少ない。
しかしながら、選手に注目してみると6名中大卒3年目以内の選手が3人もおり、Jリーグでプレーしている若手選手が輩出され始めたことがわかる。
現役のプロ選手数は少ないが半数が大卒3年目以内ということでプロ選手になれる確率が高くなっている環境がある、というのは客観的に見て容易に考えやすいのではないでしょうか。
一方、九州大学サッカーリーグは全国でも3番目に多い現役プロ選手数となっている。
福岡大学をはじめ、ベテラン選手から今年入った大卒選手まで幅広い年代層の選手が在籍している。
中には、ここ数年プロ選手が出ていない大学もあるが、西日本では関西大学サッカーリーグについでプロ選手になりやすい環境と言える。