大学サッカー監督の声【関西学生サッカーリーグ編】  京都大学 堀井美晴 ヘッドコーチ

今回は京都大学サッカー部で指揮をとられている堀井 美晴ヘッドコーチに、大学サッカーについてお聞きしました。

京都大学サッカー部では、首脳陣や幹部の人選のような部の意思決定に加え、ゲームプランの作成、スケジュールの作成やピッチ外活動等、ほとんどの活動が学生によって運営されており、その中で堀井ヘッドコーチは選手への技術的指導を主にされています。

 

プロフィール
お名前
堀井美晴

【選手歴】
1971-1987 ヤンマーディーゼル

【指導歴】
1986年 – 1990年 ヤンマー:コーチ
1986年 – 1988年 日本代表:U-20、U-17コーチ
1991年 – 1993年 ヤンマー:ヘッドコーチ
1994年 – 1995年 セレッソ大阪:強化部
1996年 – 1999年 ガンバ大阪:コーチ
2000年 ガンバ大阪:サテライト監督
2001年 川崎フロンターレ:監督
2002年4月 – 2003年1月 尼崎高校サッカー部:コーチ
2002年6月 – 2003年 草津東高校サッカー部:コーチ
2002年9月 – 2003年 神戸国際大学サッカー部:コーチ
2003年 神戸国際大学サッカー部:監督
2004年 ジュビロ磐田:ヘッドコーチ
2005年 – 2007年 川崎フロンターレ:U-20監督
2013年 – 長浜フットボール・アンド・アスレティック・クラブ監督
2021年 – 京都大学サッカー部ヘッドコーチ

指導者の道へ

ーー指導者になられた経緯について教えてください。

20209月、以前、滋賀県長浜市のクラブチーム長浜FACU-15で指導していた選手、京都大学サッカー部所属の米田基樹から京大サッカー部の指導に興味ないかと連絡がありました。その後来期主将となる京谷麟太郎と有澤善也、米田基樹の3名が大阪まで来てくれて、京都大学サッカー部年間のスケジュールを話した後、戦術と練習について熱意ある質問攻めに合い、3時間ほど面談しました。帰り際に関西学生リーグ戦、京大vs姫路獨協大学サッカー部、京大vs大阪府立大学サッカー部の試合映像を観てどう思うか感想を下さいと宿題を貰い、勝利するためにはどうしたら良いか、どんな練習をするのか回答資料を作成し送付しました。これを基に最終的には1220日、宮下部長、永井OB会長、伊藤監督、京谷主将5人で会い2021120日から指導することになりました。

京都大学サッカー部について

ーー京都大学サッカー部の魅力について教えてください。

1925年創部の歴史のあるサッカー部です。選手たちの”勝ちたい”という気持ちはここ数年の話ではなく伝統を引き継いでいると思います。ヘッドコーチをやらせていただいて思うのは選手一人一人の考えがとてもしっかりしていることです。逆にいえばそれぞれの考えが時にまとまりづらいことにもなります。もう一つは学業とサッカーの両立です。普段のテストも大学院試験でも、練習を休むということは一切ありません。想像していた以上にサッカーが好きで練習熱心な学生達で、指導者の私から見てもとても尊敬しています。一方で足りないところとしては高校時代の受験勉強による練習量です。京都大学に入学してくる選手の中には大学受験のために部活を1年、2年プレーしていない選手がいます。本来高校生年代は激しい練習をして限界まで挑戦し全ての基本と、スペシャルな能力を身につける年代です。そこが不足しているので京都大学で復帰しても身体が鈍っていてちょっと無理をすると直ぐに怪我が起こってしまうこともあります。高校時代の練習量の少なさを大学4年間で如何に補っていくか、サッカーでの頭の良さを如何に引き出していくか考え取組んでいます。

ーー今後の展望について

まずは2部リーグ復帰、目標は1部リーグ復帰です。京都大学サッカー部には今までのサッカーに新しいスタイルを積み重ねていくことが必要だと思います。加えて世界を見据えてやっていってほしいです。

大学サッカーについて

ーー学生への指導で心掛けていることがあれば教えてください。

理論を説明して選手が理解しやすいかどうかを心がけています。思考力を高めること、自信をつけさせることは意識して指導しています。机上で説明したことをどのようにして実際にわかってもらうか、そこが指導者の使命だと思っています。正解は一つでなく様々な情報や条件がある中でいくつもの可能性や道筋を考えて、その中から最適なものを選んでいく力を付けさせます。

ーープロサッカー選手における大卒選手と高卒選手の違いについて教えてください。

グラウンドでは同じサッカー選手。何も違いはありません。今何が出来るかです。大卒選手には即戦力を求めています。一方で高卒選手はポテンシャルを買われて入団します。高卒2、3年の猶予期間、育成期間をチームは見ています。潜在能力を開花させることができればポジションを奪うことができます。例えば鹿島アントラーズでいえば高卒の選手の中で全国で3本の指に入る選手を獲得して1年目から起用します。練習で上手くなるのには時間がかかりますが試合に出すことで成長させています。上手く選手を伸ばすという点では鹿島アントラーズには凄さがあります。将来のことを考えると大学は出ておくべきだと思いますが、ポテンシャルの特別高い選手は出来るだけ早い時期に、ヨーロッパのプロチームに行くべきだとも思います。

最後に、高校生アスリートに向けて

ーー大学で競技継続の意思のある高校生アスリートに向けてアドバイスやメッセージをお願いします。

いろんな人の意見を聞くことも大切ですが、最後は自分で決断をしてください。自分で決断したことなら失敗しても成功しても次に活きてくると思います。若い時には失敗が許されます。失敗、挫折があって成功があります。どうしても逃げ場があると弱さが出てしまう。一皮剥けるためには苦しい時でも強い意志が必要になってきます。高校年代までにサッカーで世界に出ていきたいなら17才までに全ての基本を身に付け、更にスペシャルな能力を身につけろと言われています。そうでないと海外では勝負できない。早く頭と体を使いながらスキル、個人戦術を伸ばしてトップチームに挑戦できる選手になってほしいです。楽して巧くなる道はありません。step by stepです。勉強もサッカーも一生懸命に頑張って京都大学に入学しサッカー部に入部してくれることを期待しています。

ーーインタビューは以上です!ありがとうございました!

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