東海学生サッカーリーグ1部
“常葉大学サッカー部” について
ーー常葉大学サッカー部の魅力について教えてください
僕たち常葉大学サッカー部は、「謙虚」、「責任」、「向上心」という3つの常葉スピリッツなるものを掲げています。強豪校でよくある伝統を常葉大学サッカー部でも作ろう、となりできたものがこの常葉スピリッツです。これは自分達の立ちかえる場所であり、日々意識できているかを各々振り返っています。例えば、「自分は謙虚でいられているのか」、「果たして本当に向上心があるのか」、「その行動に責任があるのか」などを常葉大学では常に部員に問うています。その中で去年は夏・冬どちらも全国大会に出れず本当に悔しい結果で終わってしまいました。
ここで何かを大きく変えなければ来年も変わらないだろうなと感じたので、今年に入り、常葉スピリッツを継続していく中で部則の改善をしてきました。サッカー部で活動する上で守らなければいけないところを改めてゼロからスタートさせました。そして、自分がキャプテンをやらせてもらうことになったので「強く愛される選手になろう、強く愛されるチームになろう、応援されるチームになろう」という3つをチームの目標として掲げさせてもらいました。これには常葉大学サッカー部が東海地方を盛り上げていく起点となれるようにという想いがあります。
高校サッカーでは約5万人の方が1月14日にスタジアムまで足を運んでくれ、日本代表の試合と同じくらい、Jリーグの本当の最高くらいに入っていて、高校生の僕からしたら衝撃そのものでした。ありがたいことだと思ったと同時に、「なぜこんなに注目されるのか」と考えた時に、そこには感動があるから人が集まるんだなという答えに辿り着きました。
高校生は中学を卒業して、親元を離れる決断をする。それは中学生、その保護者にとってすごく大きな決断だと思います。結果、親元を離れようが、離れなかろうが、高校3年間、青春といわれるような時間を全てサッカーに捧げています。親元を離れている子は「あの子は親元離れてるからね」、離れてなくても「3年間毎日頑張ってたね」、ってなると思います。そういうサッカーに費やす時間、サッカーに対する姿勢を含め、全ての部分で見ている人たちは感動している。
僕は感動するところにお金は生まれると思ってます。それを考えた時に常葉大学の試合を見にきてくれる人たちは常葉の選手、サッカーへの姿勢、試合に感動してくれるから見に来てくれていると思うんです。だからそういう方をもっと増やせるように自分たちのあるべき姿を目標として掲げました。これは常葉大学サッカー部として決めたことではありますけど、自分は「東海を強くする」、「東海をもっと高いくらいにする」ところも含めての目標ではあります。この意識で常葉大学サッカー部の選手が全員やって、ほんとに微力かもしれないけど1人、2人、東海地方に呼べる、呼べないっていうレベルかもしれないけど。だから東海に所属している大学みんなが取り組まなきゃ人は集まらないと思うんです。関東とは明らかに差があるわけだから、それを埋めようとするならどの大学も意識して取り組まないと。サッカーだけうまかったらいい時代ではもうないので。
戦術的な話でいうと、常葉大学は守備のチームです。無失点で何年も最小失点というタイトルを貰っています。前線から意図のある連動した守備、攻撃ではみんなで守ったボールをしっかりゴールに結びつける、これが常葉大学のサッカーのスタイルです。それが今年は暫定リーグ1位で、最多得点、最小失点も1位なので得点力もあり、守備でも失点が少ない。今年のことを踏まえると、守備のチームではありますけど得点が取れるようなチームにもなってきてるのかなという感じです。
大学サッカーについて
ーー選手権優勝して期待を背負って大学サッカーへ
「青森山田」というブランドを身につけて、「高校サッカー選手権優勝」という看板を引っ提げて、「炎のストライカー」というキャッチフレーズを自分で自分につけて、いろんなものを背負って僕は東海にきました。だからこそ期待されていることも十分わかっていました。ただ、誰かのためにやるのではなく、まずは自分のために大学サッカーをしようと思っていました。高校生は「誰かのために」と言うんですけど、僕からしたら果たして「誰かのために」プレーできるほどのものが高校生たちにあるのかなって、思うんですよね。でも実際には僕も言ってました。「誰かのために」、「何かのために」というのはすごく大切なことではあると思います。ただ高校生には背負える器がないし、背負うっていうのは、荷が重すぎるしまだ早すぎるのでその期待とかを感じていればいいのかなと。だからまずは自分のためにやれなければいけないのかなって思んですよね。「自分のためにやれないやつは人のために何もやれない」これが僕の考え方です。高校で日本一になり得点も取らせてもらいましたけど、でも周りがうまかったからっていうだけのことなんですよね。もちろん自分が得点を取るため、あのピッチに立つために、努力してきたことは自信に変えてますし、胸張って誇れるところではあります。だけどいざみんなから離れた時に周りに活かされてたなって感じました。だから俺1人で東海リーグで得点量産できるかって言われたらそうじゃない。だって僕はプレースタイル含め、パスが出てきて初めて活きる選手なので。1人でドリブルして、シザースして、2人3人抜いてゴールを決めるかって言われたら、クロスに飛び込んで、こぼれ球詰めて、みんながいて俺が成り立つので、そういうのは大学にきて改めて感じましたね。