ーーこれまでの苦悩について。
誰しもが「小松慧」はプロになるかもしれないと思っていたかもしれないけど、俺だけは思っていませんでした。というのは「なりたい」、「なれる」と思ってやってきたけど心のどこかで本当になれるのか?って思っている自分もいたということです。それが1番4年間を通して苦しかったことかなと思います。でもそれがプロです。期待されるのがプロであり、結果を求められるのがプロ。みんなは俺のことを「すごい、炎のストライカーだ!」って言ってくれるから嬉しいけど、俺に取っては全てがプレッシャーで、正直重荷になってたかなって思う部分もあります。始めはそれを楽しめないと上はないって思っていたから楽しめていたんですけどだんだんと重くのしかかってきて見えない何かに襲われて、囚われてっていう経験をできたことはすごい幸せだなって思いますけど、それと同時にしんどいな、辛いなって思うことがたくさんありました。みんなが、「そこまで結果出したんだからプロになるんでしょ」と思っている人がいてくれて何かを伝えられるなら、「それでもプロになれるかわからないくらい厳しいし、狭き門だぞ。」ここは高校生に1番伝えたいです。夢を持って目指そうとしなければプロにはなれないので目指すことが悪いことではないです。だけど、プロという世界はそんなに近いものでもないし、甘いもんでもないです。
ーーサッカーにおける今後の目標について。
今後の進路についてはまだ決まっていません。結論はまだ出ていないけど自分の中ではサッカーをやりきった感があります。完全燃焼と言いますか、それ程に熱中してやってきたんだと思います。これまでプロサッカー選手になりたくてサッカーをやってきました。プロサッカー選手になったとして果たして何年サッカーで飯を食っていけるのかわからない。選手として使えなくなるよりも体にガタがきてクビになることが目に見えました。これも理由の一つです。もちろんプロサッカー選手になりたい、サッカーで飯食えたら最高だな、と思うけど、現実問題プロに進むであろう選手と比較したときに、俺はどうなんだろう、無理だなって思ってしまいました。自分に期待をしてくれている方が多い反面、自分の現状を考えたらプロにはなれない。プロを目指した結果なれなかったら1年間何もない人生を送ることになってしまいます。それが1番嫌なことです。もちろんまだまだサッカーでもやっていきたい気持ちもあります。そこはまだ腹を括れていなくて1番悩んでいるところです。サッカーから離れて第二の人生を歩むことも楽しみの一つだったりします。というのもこれまでサッカーだけでしか生きてこなかったので今までそういうのも経験してきていないからです。
最後に、スポーツ推薦(セレクション)を目指す高校生アスリートに向けて
ーー大学で競技継続の意思のある高校生アスリートに向けてアドバイスやメッセージをお願いします。
俺は「youは何しに日本へ」という番組は本当に本質をついているなと思っています。外国人は目的があって日本に来ています。それと一緒で目的を持って大学に進んだ方がいいなと思います。僕の場合は、「小松慧はなにしに常葉大学へ」と聞かれた時に答えられるかどうかだと思います。それが答えられるような大学選びをした方がいいなと思います。なぜ、何をするために君はこの大学に来たのか、この大学じゃなきゃいけない理由はなんなのか、それが明確に答えられなかったら大学に行く必要ないと思うし、大学選びを失敗してしまうと思います。目的を持ってやらないと周りには目標、目的やなりたい自分を持っているやつはいっぱいいるから、その分置いていかれてしまいます。だけど4年間でやりたいことが変わる分にはそれはそれでいいと思うんです。いろんな経験で目標は目的は変わるものだから。でもとりあえず何の目的もなく大学にいこう、は違います。
ーーセレクションでのアドバイスをお願いします。
人と違うことをした方がいいなと思います。例えば、群れない、人と積極的にコミュニケーションをとる、リーダーをやってみるとか。周りの人との違いを見せれるかどうかがセレクションや練習会です。自分はこれが得意です、できます、僕はこういう選手です、ではなくて、僕は周りとは頭一つ違うぞっていう部分を見せられるかどうか。意味わからないくらいベラベラしゃべって、意味わからないくらいコミュニケーションとってる奴の方が相手にはこいつ本気だなって伝わります。だって即席のチームで戦わないといけないんだから仲間の特徴や名前を知らなきゃ始まらない。そして最後はやってきたことしか出せないので自信を持ってやるだけかなと思います。それはセレクションだけにかかわらず、サッカーをやっていく上で大事なことです。ピッチに立った時に迷子じゃ困るし、ピッチに立った時に自信がなかったらだめ。舞台俳優が台本を覚えずに舞台に立ちますか。絶対に覚えますよね。だから舞台に立って堂々と演技ができる。それと同じで、サッカーをやる人間がピッチに立つ上でサッカーの理解がなかったりサッカーを知らなかったら話にならないし、それに伴うピッチ内外の時間はきちんと費やすべきです。それで初めてピッチに立てる資格があると思います。常にそこを意識していればセレクションは普段と何も変わらないはずなのでいつもやっていることをやればいいだけです。セレクションだから何か特別なことをするわけではない。いつも通りやれるかどうか。いつも通りの基準が高ければ高いほどそのまま評価に繋がる。新たに特別なことができるほど器用でもないしすぐにできるものでもないと思うので。やってきたものしか出ない。
ーーインタビューは以上です!ありがとうございました!
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