大学サッカーについて
ーー大学サッカーの魅力、大学サッカーに進んでよかったと感じていることについて教えてください。
高校からプロに上がれなかった選手たちの悔しさやギラギラしたものが集まっているなと感じます。その中でもプロを目指す人もいれば目指さない人もいて、どう自分をぶらさずに、どう自分の思っているものを見続けるかっていう修行のようなものだと思っています。時間がたくさんあり、車を持つことができたり、法律も解禁されたりとすごく誘惑の多い中で、生活をしていくので自分を試される場です。でもその中でサッカーを続けることで人間性の形成、向上が期待できます。僕は大学まで人前で話すことが得意なタイプではありませんでした。インタビューとかも何を話していいかわからなかったです。ですが、ここまで大人とも対等に話せるようになったのは大学にきたからこその成長だなと思っています。人間性が向上し私生活も充実することでサッカーもよりよくなっていくと思います。なぜなら人間性の上にサッカーがあるので。そういう部分では大学にきて本当によかったなと思います。今ではユースから直接プロにならなくてよかったなと思うほどです。もしあのままプロに上がれていたとしたら絶対に通用しなかったと思ます。それでサッカー引退したらお先真っ暗でした。逆にトップチームに上げてくれなくてよかったなと思います。
ーーこれまでの3年間の大学サッカーを振り返って。
神様はほんとにいるんだなと実感しました。大学1年生の開幕戦からスタメンで起用されていました。最終的に1年目のシーズンは全試合スタメンでフル出場し得点も9得点上げることができ、ベストイレブンに選出していただきました。そして新人賞も取ることができ華やかしい成績だったと思います。ですが、2年目のシーズンが始まって直後に骨折をしてしまい約3ヶ月サッカーができませんでした。その後復帰して試合に出ることはできましたが、3年目にも骨折をしました。うまくいってる時に怪我をする。1年の終わりにJリーグのスカウトの方がこられていたので気合を入れようと思っているところで骨折。2年目が終わり全国大会にも出場し手応えがある中でまたも骨折。その時に「神様って本当にいるんだ」と思いました。意地悪だなーって。その怪我から学んだことも多くありました。次に怪我をしないために食生活を見直したり、外からサッカーをみていろんなことを話したりしたのですごくいい経験だったと思います。骨折していた時練習に参加していませんでした。でもその時に現主将の小松慧から電話で「お前は主軸なんだから練習来なくてどうすんだ」、「お前一人のチームじゃないからな」と喝を入れらることもありました。そこではっとして練習にいくようになりました。怪我のおかげでいろんな成長ができたと思います。よく神様は超えられる壁しか与えないと言いますが本当にその通りだなと思いました。
ーーサッカーにおける今後の目標について。
関東の大学が注目される中、地方からでも”これだけやれるんだ”っていうのを証明したいと思います。常葉大学サッカー部が関東の大学を倒せるように。デンソーカップで3位という結果を残せたので東海リーグの強さを示せたと思います。だからもっともっとやれるんだぞというのを見せていきたいです。チームの目標として全国大会ベスト8以上を掲げています。これまでまだ成し遂げていないので今年こそは成し遂げたいです。また、僕が入学してから総理大臣杯に出れていないので夏・冬の全国大会に出たいと思います。
個人としては、次のステージに行くことを大前提として、その中で人に影響を与えられるような人になりたいと思っています。今までは「サッカー選手になりたい」が夢でした。今ではそれを超えて一人の「速水修平」という人間がいろんな人に影響を与える、そんな人間になりたいです。そして応援される選手になります。そこは常に目標として置いています。
ーーストロングポイントを教えてください。
プレーでのストロングポイントはヘディングの強さと高さです。これは自信を持って言えます。正直日本の大学生プレイヤーの中では一番だという自負があるほどです。現在鹿島アントラーズに所属している関川郁万選手と高校時代戦ったことがありますけど「勝てねえ」って一言言われました。DENSOカップで他地域の選手とも戦いましたけどヘディングで負けたシーンはほとんどないと思います。そこは自信ありつつももっともっと磨いていかないといけない部分かなと。みにきてくれるお客さんもわかりやすいポイントかなと思います。ぜひそこに注目していただければと思います。
最後に、スポーツ推薦(セレクション)を目指す高校生アスリートに向けて
ーー大学で競技継続の意思のある高校生アスリートに向けてアドバイスやメッセージをお願いします。
大学は新しい目線でサッカーをみることができます。僕も高校時代はずっと練習についていくのに必死でただサッカーが好きで練習に行っていました。だけどグラウンドだけがサッカーではないことに大学に進んで気づきました。Jリーグの試合を見る、フォーメーションをみてどこのスペースが開くのか、といったいわゆるサッカーIQというものを少しでもかじっておくだけで大学サッカーでいいスタートが切れると思います。
考えられる選手が大学で活躍しその後プロにまでなっています。そのためにも高校生からサッカーの試合をみたり考えながらサッカーをすることが大事かなと思います。もちろんフィジカル面でもスピードだったりパワーも違うので体作りも必要ですけどそれと並行してサッカーIQを高めておくことで大学入ってから即戦力として使ってもらえるんじゃないかなって思います。
あとは、大学サッカーは関東が全てではないです!!僕も東海から「みてろよ関東!」くらいの気持ちでやってきて全日本選抜にも入れましたし。大学は自分次第です。
ーー高校1.2年生のサッカーで悩んでいる方へ
僕自身も高校生の時にすごく苦しい思いをしていました。僕はジュビロ磐田のジュニアユースからユースに上がったわけではありませんでした。
なので当時は一番下手くそで一年生の時は一度もメンバー入りできず、監督にも名前を覚えられないくらいの選手でした。毎晩、宿舎の屋上で悩んで、病みそうなくらいでした。ほんとに、いつサッカーをやめようかなと考えていた時期でもあります。高2になり途中から試合に出れるようになりました。今の自分を知っている人は「トントン拍子に来て、うまくいっているじゃないか」と思われるかもしれないですけど、実際はそうではなくて、本当に下手くそでした。ユースの同期の人とかに聞けばわかります。当時の自分に今の状況をいっても信じないと思うくらい。練習を嫌がりながら自転車漕いでいっていたり、夜な夜な泣いていた時期もありました。こういう同じ思いをもった高校生は多いと思います。1年生で試合に出れないからといって諦めないで自分の目標を持ち続けることが大事なんだと僕自身実感しました。なのでうまくいっていないから、試合に出れないからといって夢を諦めずに、自分の目標を持ち続けて頑張ってください!!
ーーそれでも辞めなかった理由は?
周りの支えが大きかったです。あとは母からの手紙のおかげです。悩んでいるときはその手紙を読んで一人で泣きました。高校生の時に20回くらい読みました。あの手紙がなかったら本当にきつかったと思います。同期に飛び抜けた存在の選手がいなくてみんなで屋上で星をみながら「頑張ろうぜ」って支えあっていました。「もうちょい頑張れば絶対芽出るよねっ。」それが僕の中ですごい心強かったです。間違いなくあのメンバーじゃなかったら辞めていたと思います。
ーーインタビューは以上です!ありがとうございました!
常葉大学サッカー部SNS
速水修平選手SNS
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