今回は鹿島アントラーズユース(鹿島学園高校)から國學院大學へ進学し、現役の大学サッカー部で活躍する熊田柊人選手に、大学サッカーについてお聴きしました。
目次
プロフィール
お名前
熊田柊人(2001年1月18日生まれ)
出身高校
私立鹿島学園高等学校(鹿島アントラーズユース)
所属
國學院大學・体育会蹴球部 (神道文化学部/神道文化学科 現在2年生)(取材時)
鹿島ユースから大学サッカー”國學院大學” へ
ーー今の大学に進もうと思った理由と、進学方法を教えてください。
高校3年の5月という大事な時期に大怪我をしてしました。その結果、クラブユース全国大会でプレーすることができませんでした。もちろん大学からのオファーもなく、強豪校大学へのセレクションにも参加できないという最悪の状況でした。怪我からの復帰できるかできないかの瀬戸際の時期に國學院大學のセレクションが他の大学よりも少し遅くありました。そこを目指して急ピッチでリハビリに取り組みました。
復帰初日が國學院大學のスポーツ推薦のセレクションでした。コンディションは万全ではなかったのですが、事前に怪我を考慮して、鹿島アントラーズユースの監督が自分のプレー動画を國學院大學に送ってくださり、動画とセレクションを見て選考され、國學院大學のスポーツ推薦をいただくことができました。このように厳しい状況だった自分を救ってくださった國學院大學には非常に感謝しています。
ーーどのようにして國學院大學を知りましたか?
大学でサッカー続けることを前提に、高校生の時から社会の教員免許を取りたいと考えていました。そして教員免許を取れる大学を関東大学サッカーリーグ1部から順に探していきました。
しかし、どこも練習会やセレクションが終わってしまっていました。その中で東京都大学サッカーリーグ1部の國學院大學のセレクションを受けることを決めました。
また、國學院大學の1学年上に鹿島アントラーズユース出身の先輩が所属していました。その先輩から、サッカーや大学のことについて教えてもらい非常に良いチームだなと思ったこともあり國學院大學を選びました。
ーー大学の部活動を決めるときに使っていたサイトや情報源等はありますか?
高校からもらった大学のパンフレットとインターネットで情報収集をしていました。しかし、大学サッカー部の詳細な情報はほとんどインターネットにも載ってなく、自分たちの時代に「アスリートバンク」があれば良かったなと思います。
プレミアリーグEAST優勝”鹿島アントラーズユース” 時代を振り返って
ーー強豪鹿島アントラーズユースでの3年間はどのようなものでしたか?
高校一年時のプレミアリーグEAST開幕前からスタメンに選ばれていたのですが、軽い交通時事故に遭ってしまい、スタメンを外されてしまいました。怪我をした中でシーズンが開幕してしまい、その後、Bチームに降格し、2年の前期になってもプレミアリーグEASTに出場することができませんでした。
そんな中で、転機となったのが2年時に参加させてもらった国体です。茨城チームの中でチームの中心として結果を残したことが自チームでも評価につながり、ようやく2年の後期から少しずつ試合に絡むことができるようになりました。3年時はプレミアリーグEASTを優勝し、チャンピョンシップに出場しました。
残念ながらサンフレッチェ広島ユースに敗れ全国2位という結果に終わってしまいましたが、あの時の経験は現在にも活きていると思います。
ーー高校時代にやっておけば良かったことはありますか?
結果が求められる世界で個の打開力が少し足りなかったなと思いました。それはスキルやフィジカル面もありますが、もっとエゴイストに結果にこだわってやっていかないと試合に出られないなと大学に入って感じました。
ーー國學院大學のセレクションに向けて準備したことはありますか?
セレクションでは、鹿島アントラーズユースの先輩からチームのスタイルを聞いて、どんな選手が必要なのかイメージしてセレクションに臨みました。自分はこれといった武器はないのですが、セレクションではSB・SH・アンカー・トップ下でプレーしユーティリティプレーヤーということをアピールしました。
さらに、チームのスタッフや先輩たちの声掛けなどを聞いて、そのチームがどのような選手、プレーを求めているなどを観察しながら自分の良さはもちろんですが、求められているプレーをすることも心がけていました。
東京都大学サッカーリーグ1部“國學院大學”に入って感じたこと
ーー國學院大學について教えてください。
國學院大學サッカー部は4学年通してとても仲が良いです。上下関係がゼロというわけではないですが、とても良い関係が築かれていて1年次から楽しくサッカーができる環境があると思います。
サッカー面では、一年次からアピールできればチャンスを与えてくれる環境があります。実際に自分も1年時からチャンスを頂き、非常に良い経験をさせてもらいました。また、何よりも選手が主体となって「試合に勝つため」に考えて行動したり、発言しているところだと思います。
ーー神道文化学部/神道文化学科について
日本の神道について学び、新たな発見が多くあり、自身の成長に繋がっていると強く思います。また、神道系の授業だけでなく、法学部や経済学部の授業もたくさん受講することができます。
自分は社会科の教員免許取得に必要な授業も受講しています。
ーー國學院大學の好調の要因は?
去年、自分が入学した年からチーム改革が始まり、「分析」や「セットプレー」といったことに力を入れて取り組み始めて、昨シーズンは取り組みの中であと一歩結果がついてきませんでした。
しかし、今シーズンは昨シーズンの積み重ねが定着してきて、押されている試合や引き分けの展開の試合を勝ちに持ってくることができているなと思います。自分はその中で一年時から鹿島アントラーズユースで培ったセットプレー戦術のリーダーとして取り組ませてもらいました。
ーー大学までサッカーをやっていて良かったこと
他ではないような、毎日のように仲間と本気で話したり、サッカー以外のことも話したりすることのできる仲間に出会えたことは本当に良かったと思います。誰かと時間を共有して何かに本気で取り組むということは社会に出てから活きる経験になるのではないかと思います。
ーー大学サッカーでの、今後の目標について教えてください。
まずは、コンスタントに試合に出場し続けることです。その中で、結果にもこだわってチームの中心選手になりたいです。今年は、東京都大学サッカーリーグ1部で優勝し、参入戦で勝ち進み、関東大学サッカーリーグ2部への昇格を果たしたいです。
そして、昇格するだけではなく関東大学サッカーリーグに定着するために日ごろのトレーニングなどチームとして良い雰囲気で取り組んでいきたいです。
國學院大學サッカー部の情報はこちら
最後に、スポーツ推薦(セレクション)を目指す高校生アスリートに向けて
ーー大学進学後もサッカーを考えている高校生に向けて。ここを見たほうがいいよなどのアドバイスがあれば教えてください。
進路選びの中でサッカー部についてはもちろん調べると思います。その中でプラスアルファで将来、何になりたいか、何を学びたいかが見つけ、サッカー×勉強で大学を探すことができれば、より充実した大学生活を送ることができると思います。
ーー大学サッカーをプレーすることにあたって、高校サッカー(部活)引退以降でしておいた方がいいことはありますか?
止める蹴るはとても重要だと思いました。これをベースにさらに自分の武器を磨いていってほしいと思います。フィジカル面で急に身体を大きくするのは良くないけど、筋トレはとても重要だと思います。大学では18歳と22歳が一緒にプレーすることもあるので、1年生のうちから試合に絡みたいのであれば体づくりはしておいた方がいいと思います。
ーー最後に部活を頑張っている高校生に向けてメッセージをお願いします。
アピールの場が少なくなったりしている環境だからこそ、モチベーションを落とさずに取り組んでほしいと思います。こういった厳しい経験を乗り越えることができれば、自身の成長にもつながるし、今後にも活かせるものになると思います。これは、本気で向き合うからこそ得られるものだと思います。
ーーインタビューは以上です!ありがとうございました!