今回は東福岡高等学校から国士舘大学サッカー部へ進学し、大学で活躍され、海外でプロ経験をお持ちの佐々木 陸選手に、大学サッカーについてお聞きしました。現在は東京ユナイテッドFCで活躍されています。
プロフィール
お名前
佐々木 陸(ささきりく)
生年月日
1992年8月12日
出身高校
東福岡高等学校
出身大学
国士舘大学
出身学部
21世紀アジア学部(1年次)、体育学部(2~4年次)
現在の所属チーム
東京ユナイテッドFC(関東サッカーリーグ1部)
なぜ関東大学サッカー1部リーグ国士舘大学へ
ーー国士舘大学サッカー部を選んだ理由と進学方法を教えてください。
当時は、「プロ選手になって活躍したい」という目標がありました。その目標達成のためには大学サッカーのレベルが高い関東大学リーグ1部で試合に出て活躍することだと考えていたからです。関東の大学へ行かずに、地元九州にある福岡大学サッカー部や鹿屋体育大学サッカー部といったプロ選手を輩出している強豪校に進学することも考えましたが、レベルの高い関東の大学に進学を決めました。自分は高校3年生の時にインターハイの県大会予選の1回戦で負けてしまったため、高校サッカーでの成績を残せておらず、スポーツ推薦をもらえなかったのでその後すぐに大学サッカーについて調べました。大学サッカーの全国大会である総理大臣杯とインカレでベスト4になっている大学の中から、高校時代のサッカーの成績、自分のやりたいサッカースタイル、学力から判断して、国士舘大学に行くことを決めました。
ーー大学選びについて
国士舘大学サッカー部への進学には後悔はありません。ただ、大学を選択する際には、大学サッカーのレベル感を踏まえて考えるということの大切さも実感しているので、そのためにも、入部セレクションのある大学サッカー部でセレクションを経験しておくことも視野に入れるべきだったと思っています。というのも、自分自身、九州から関東に自信を持って出てきて、ある程度は通用するだろうと思っていたのですが、大学に入ったら何も通用しなかったからです。実際に入部してからの練習の厳しさにも衝撃を受けました。特に、ランメニューでは全然タイム内で走り切ることができず、不甲斐なかったです。そういった意味でも事前に練習参加できるのであれば練習参加をして大学サッカーのレベル感を知っておくことも大事かなと思います。そこで得た経験は高校サッカー引退から大学サッカーに入るまでの期間に自分には何が必要なのか、何を準備しておくべきなのか、など意識の変化にも繋がると思います。その大学サッカーのレベルを把握するための選択の一つとしてセレクションもあるので大学を選択する際に、事前にセレクションを受けられるのであれば、受けてみて、大学サッカーのレベル感を把握しておいてもよかったかなと思っています。
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ーー大学進学決定時期はいつ頃でしたか?
3年生の9月中旬から10月までには国士舘大学への進学が決定していました。
ーー高校時代に大学の情報はどうやって入手していましたか?
当時は今と比べると、自由に大学の情報が手に入る時代でもなかったので、高校の先輩や部活の指導者などから情報をもらっていました。
ーー大学在学中に学部を変更したのはどうしてですか?
体育の教員免許取得のためです。21世紀アジア学部に在籍していましたが、入学当初から体育の教員免許を取得したいと思っていたので体育学部を志望していました。そこで2年次から転部できるという制度を知り、転部することを目標に学業にも力を入れていました。そのおかげで転部試験に合格し、2年生からは体育学部に所属しました。その後、目標としていた教員免許を取得することもできました。
大学サッカーから得られたこと
ーー大学サッカーをやっていてよかったこと、大学サッカーから現在に活かされていることはなんですか?
現在に至るまでの人間形成や人脈の広がりという点において、特に大学サッカーを経験してよかったと実感しています。サッカー部での寮生活を通じて先輩、後輩の上下関係、社会について学ぶことができました。現在の社会人チームに所属するきっかけも、大学サッカー時代の対戦相手の選手からの声かけでした。
ーー大学サッカーの魅力について教えてください。
プロに近いトレーニング環境が用意されていること、プロクラブとの練習試合があることだと思います。高卒でプロに行く事は、凄い事ですし世界基準や、その年齢でA代表になってる事を考えると、早く行けるに越した事はないですが、活躍できるのは極わずかですし、今の日本代表を見ると、大学サッカー出身の選手が増えています。大学サッカーの4年間で力を付ける事によって、即戦力として考えられますし、それ以外の事も自分次第で学ぶ環境が整っていると感じています。また、プロクラブとの練習試合もあるので、実際にプロ選手の実力を経験することができます。
ーー国士舘大学サッカー部の魅力を教えてください。
国士舘大学サッカー部には、新しいグランドを含めグラウンドが2面あります。また国士舘大学サッカー部は全寮制で、部員は100名を超える選手が所属しています。そのため常にサッカーに打ち込める環境のもと、お互いに刺激しあって成長できることは魅力の一つだと思います。
ーー国士舘大学サッカー部のサッカースタイルの特徴について
当時は、パスを繋ぐサッカーというよりは対人でのプレー中心で戦うサッカーでした。
大学生活、大学サッカーを振り返って
ーー4年間の大学サッカーでの思い出は?
3年生に上がるときに自分がなぜ東京に出てきたのか、その原点に立ち返ったときです。入学当初からC1チームで、なかなか上のチームに上がれませんでした。そんな時に、原点に立ち返りました。自分は何のために東京へ出てきたのか。それは「トップチームに上がって試合に出て活躍して、プロになるため」でした。この原点を改めて認識することで頑張ることができ、3年生の後半からトップチームのメンバーとして試合に出場していました。それまで国士舘大学は前期のリーグ戦で最下位したが、そこで一人一人の意識が変化し、やるべきことを明確にしてチャレンジした結果、チームも見違えるように変わり、勢いもつき、後半戦だけの成績でいえば優勝するほどでした。最終的にチームはインカレに出場し、準優勝という結果に貢献することができました。このような経験から、目標をぶらさずにコツコツやり続けることはとても大切なことだと実感しています。
ーー国士舘大学での大学生活について教えてください。
大学生活は自分が思い描いていたものとはまるで違いました。点呼が23時にある寮生活で、先輩と同部屋になるので上下関係も厳しく1、2年生の時はとても大変でした。ですが間違いなく、それが今の人間関係の形成に繋がっているとも思っています。
最後に、大学サッカーを目指して頑張っている高校生へ
正直なところ、どの大学が自分にあっているかは行ってみないとわからないと思います。一概にどの大学がいいとは言えないですね。選び方の基準は人それぞれです。行った先々に良し悪しは必ずあると思うので、自分の選んだその環境で頑張ることが大事だと思います。自分の成し遂げたい目標は何なのか。どこに行ってもサッカーを頑張ることに変わりはないと思います。また、大学選びでは、サッカー以外の部分ももちろん重要です。大学卒業後の進路を考えると、学歴を重要視する企業が多いので、有名大学に進学するという選択肢も考えるべきです。もちろん、誰でも入れるわけではなく、勉強も必要です。自分の選択肢を狭めないためにも、学生のうちからきちんと勉強しておくことも大事だと実感しています。大学生活、大学サッカーは、人生の中でのたったの4年間です。長いようで短い、短いようで長いこの4年間をどう過ごすかで、サッカー選手になる人、社会人になる人、将来の姿は大きく変わってきます。大学生活を経験したことは、社会のことを知る多くのきっかけになったので、とても貴重だと思っています。例えば、高卒ルーキーとしてプロになり、もし結果を残せなかった場合、上下関係など社会のことを何も知らないまま社会に出されてしまうので、後々苦労することが多そうに感じます。自分自身もそうでしたが、高校生の時は「プロになりたい」という想いが強く、サッカーだけに集中している選手が多いと思うので、自分の将来を考えることは難しいかもしれませんが、先を見据えて大学選びはもちろんですし、これからの学生生活をどう過ごしていくかなどを上手く選択できるようになると、より良いと思います。
インタビューは以上です!ありがとうございました!